レーシックの危険性
レーシックは素晴らしい近視手術の一術式ですが、様々な問題を抱えています。主たる原因は手術の際に、フタを作成することにあるのですが、そもそもレーシックでは何故フタを作成しなければならないのでしょうか?近視手術に使用されるレーザーには、太いビームと細いビームがあり、開発過程において、細いビームの方が管理しやすいという理由で主流となりました。これは両者共にPRKと呼ばれる近視角膜レーザー照射用に開発されたものです。しかし細いビームは照射するエネルギーも小さいのであらかじめ角膜上皮を刀でコスリ落としたり、カンナ掛けしてドア状のフタを作成した上で実質のみを走査して削る必要があるのです。削ってできた面は、単一焦点的なレンズ面となり、調節負荷が大きなレンズとなります。細い走査ビームは術中の目の動きを拾いやすく、不正乱視を防ぐ為に追尾装置を設置して、細心の注意が必要になるのです。そのような理由で削る面を最小に抑えるためにもフタが必要となるのです。一方、太いビームはロシアのフィヨドロフ研究所と、米国のタウントン社の方式の2種類があり、後者はビームのコントロール不足の為、普及が止まってしまいました。そしてフィヨドロフ方式は、太いレーザービームを光学的にカタマリとして処理し、三次元的な蒸散を可能としました。蒸散面は多焦点的なレンズ面となり、調節負荷の少ないレンズとなるのです。太いカタマリとしてのレーザーは不正乱視を作る可能性がほとんど無いと思います。
現在、近視矯正手術の最も重い合併症は角膜移植になります。レーシックの増加で角膜移植の報告も増えていると聞いたことがあります。また、医師、患者共に避けたいレーシング後の合併症として角膜拡張症があります。薄い角膜で強い近視の矯正にレーシックをほどこすことは禁忌です。また、角膜が薄くなくとも角膜の弾力性が弱い場合には危険が伴うといわれており、現在、角膜拡張症の術前診断は研究中の段階となっています。
ドライアイ
角膜を切ることによって神経が遮断され、角膜表面が乾く傾向があります。点眼薬によって治療が可能です。
再手術の可能性
強度の近視やレーザー照径を小さくして手術した場合に生じることがあります。再手術で対応します。
角膜の混濁
DLKと呼ばれ、フラップの下に混濁が生じることがありますが、フラップをめくってきれいにする事ができます。
夜間に光がまぶしい、にじむ現象
瞳孔の大きさ、矯正度数と関連があり、数ヶ月経つとほとんど良くなります。
不正乱視
不均一な照射、傷が癒える過程で稀に発生する場合があります。ほとんどは時間の経過と共になくなりますが、稀にそのまま持続する場合もあります。
偏心照射
レーザー照射が瞳孔の中心から外れて行われることによって生じる矯正エラーを意味します。その判定は照射による角膜上の変化を示すレッドリングマップ(インスタンテーネアスマップ)によって行われます。通常0.8mm以下の偏心なら問題がないと言われています。
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最終更新日:2017/7/12